行ったのは午前、風が冷たかった。
カタクリは閉じ、ヒメイチゲは閉じ、手はかじかむ。
展望閣の周りの清掃が行われていた。あす、森林公園としての開園の日だそうな。
頂上への道で、珍しく、エゾライチョウの♂が指呼の距離まで近づくことを許可してくれた。たぶん、♀が十分な距離を取るまで辛抱していたのだろうと思う。それは解っているのだが、つい、目先の♂に気を取られた。
くだり、展望閣の下で、半年ほど前に関西から移住してきたというおふた方と行き交った。しばらく岐登牛山談義の花開かせた。カタクリは閉じているねと。

シジュウカラの♂は、あちらから近づいてきて、ここだここだと大声を出す。

いちどは驚いて飛び上がったのだが、道の真上のよく目立つ枝に留まった。近づいても遠ざかることもなく。

枝の上を歩いて、そして、すぐ下の地上に降りた。

指呼から指先はダメだった。警戒しながら急ぎ足で遠ざかり、そして、飛び立った。その間ずっと、♀の姿は見えず。